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書誌情報

論題:日本の農林水産物輸出促進の動き-競争力強化をねらう「攻め」への方向転換-

要旨

1 日本は農林水産物等の輸出額を「5年で倍増」する目標を掲げている。海外市場の開拓,輸出志向の産地・流通体制作り等を含む輸出促進の総合的支援体制の確立は,農林水産省主導の下で地方自治体,生産者団体,民間団体,企業等を巻き込んだ官民一体の体制でスタートし,2004年と05年度の関連予算概算はともに前年に比べて大幅に増加した。
2 今回の輸出促進につながった背景は少なくとも3つ考えられる。2国間や地域間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)締結の促進というニーズがあること,アジアでは中間所得層の増加に伴い高級輸入食材の需要が拡大していること,日本の農林水産物等は「高価,高品質,安全,健康,カッコよい」というイメージがアジアに受け止められていること,である。
3 この2年,日本農林水産物等の輸出はアジア向けを中心に既に拡大の傾向を見せている。その結果,農林水産物等輸出のアジアへの依存度は04年に76%に上がり,とりわけ中華圏(香港,台湾,中国大陸)への依存が高い。日本の高級品への需要だけではなく,水産物や木材等原料型農林水産物への需要も高まっている。
4 農林水産物等の輸出促進は,これらの産業に携わる人々に自信,勇気と活力をもたらし,これら産業の活性化ないし地域経済の復活に役立つ。また,需給調整を通して国内市場価格の低下を防ぐ市況対策効果がある。これらは既に,水産物やリンゴ,ナシ,エノキ,長イモ等の輸出に見られている。
5 「5年で倍増」という目標の達成には,国内価格と輸出価格の引下げによる価格競争力の向上も求められる。いわば,輸出という「攻め」の方法を通して,高コストの国内農業から競争力の強い農業に転換して,農業を「守っていく」ことが求められる。

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http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0506re3.pdfPDF(281KB)

刊行年月日 2005年06月01日
更新日 2010年09月03日
掲載コーナー名 論調
著者
阮 蔚(ルアン ウエイ) :基礎研究部 主任研究員 研究員紹介を見る
出版者・編者 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
掲載媒体 定期刊行物 『農林金融』
2005年06月号(第58巻第6号 通巻712号) 36~54ページ
掲載号目次 http://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2005-06.html
第一分野 (大区分):農林水産業・食料・環境  (詳細区分):国内農業
ISSN 1342-5749
キーワード 農林水産物輸出,日本,海外市場の開拓,アジアへの輸出
 
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