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論題:米国のトウモロコシ需要増と米・中・日穀物貿易への影響-トウモロコシエタノール生産促進を中心に-

要旨

1 世界的にトウモロコシの需要が増大しているが,その牽引車は近年急増している米国のエタノール向けトウモロコシ需要である。原油価格高騰対策および安全保障対策(中東依存の軽減)として,国産の再生可能エネルギーの増産を図るという米国エネルギー政策の転換により,米国の最も競争力ある農産物であるトウモロコシからのエタノール生産は,一大国家プロジェクトとして促進されている。
2 代替エネルギー策として70年代末から開始されたトウモロコシエタノール生産は,90年代以降,実質的には内需創出による穀物価格支持,また新規雇用創出による中西部経済振興の有力策となった。米国穀物政策の輸出重視から内需重視への転換とも言えるトウモロコシエタノールの生産促進が,今後穀物価格の大幅上昇をもたらせば,穀物農家の所得安定にも,WTO交渉での国内支持の削減にも寄与する。
3 米国農務省は,増大するトウモロコシ需要は作付面積の拡大と単収の増加による生産量の拡大でカバーできると予測している。しかしトウモロコシエタノールの増産は予想以上の速いテンポで進んでおり,これはトウモロコシの価格上昇の原因となる。また,米国がトウモロコシの更なる増産を図るには,生産コストの上昇を上回る十分な価格の上昇が必要となろう。一方,中国の需要増も,国際相場を押し上げる要因となる可能性が高い。
4 今後の米・中・日のトウモロコシ貿易についてみると,米国の輸出は緩やかに伸びるが,内需の急増にははるかに及ばない。その代わりエタノール副産物(DDGS)の輸出が増える。中国は高いトウモロコシ自給率を維持しながら不足分をトウモロコシやDDGS等の輸入でカバーする。米国依存の日本は価格上昇の影響をまともに受ける。国内の畜産を守るためには,日本は短期的な対策(代替品の輸入)と長期的対策(飼料自給率の向上)両方を進めていく必要があろう。

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http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0608re5.pdfPDF(114.5KB)

刊行年月日 2006年08月01日
更新日 2010年09月03日
掲載コーナー名 論調
著者
阮 蔚(ルアン ウエイ) :基礎研究部 主任研究員 研究員紹介を見る
出版者・編者 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
掲載媒体 定期刊行物 『農林金融』
2006年08月号(第59巻第8号 通巻726号) 53~67ページ
掲載号目次 http://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2006-08.html
第一分野 (大区分):農林水産業・食料・環境  (詳細区分):海外農業
ISSN 1342-5749
キーワード アメリカ,トウモロコシ,バイオエタノール,代替エネルギー,穀物メジャー,DDGS
 
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