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書誌情報

『EU共通農業政策改革の内幕-マクシャリー改革,アジェンダ2000,フィッシュラー改革-』

14.12.10[ 更新14.12.11 ]

タイトル
『EU共通農業政策改革の内幕-マクシャリー改革,アジェンダ2000,フィッシュラー改革-』
要旨

本書は『An Inside View of the CAP Reform Process :Explaining the MacSharry, Agenda 2000, and Fischler Reforms』 の全訳である。
 EUは共通農業政策(CAP)により全ての加盟国における農業政策の枠組みを定めている。直接支払いや条件不利地対策などその施策はしばしば日本でも参照されるが、この十数年間、日本語のまとまった書籍が出ていなかった。またCAPは1992年以来、数回にわたる改革を経てきたが、その全体像を示す日本語書籍がなかった。本書はこうした欠落を埋めるものである。
 本書のもうひとつの特色は、CAP改革の決定過程とその要因を主題としていることである。その方法は詳細な叙述と考察であり、CAP改革史の解説書として読むこともできる。また前段には関連する組織・制度・交渉など、政策過程を理解する上で必要な予備知識の説明がある。
 本書は最初の3つのCAP改革(1992年、1999年、2003年)を中心にまとめられている。改革の経緯を説明するとともに、その主な要因について多くの説を紹介しつつ自説を展開し、検証のため各CAP改革に関与した関係者に対するアンケート調査を行っている。また2003年改革以後2010年頃までの動向に関する章もあるので、最近の2013年改革を除けばこの1冊でCAP改革をひととおり網羅している。
 第一著者のアーリンド・クーニャはポルトガルの元農相であり、その後のCAPの方向を決定づけた1992年改革の決定時に農相理事会の議長を務めた。まさに政策決定者が内側から見た政策形成過程が率直に描かれており、資料的な価値も高い。氏は以後のCAP改革にも欧州議会議員として関わった。また第二著者のアラン・スウィンバンクはCAPを長年にわたり研究してきた有力な研究者である。

目次・表紙
『EU共通農業政策改革の内幕-マクシャリー改革,アジェンダ2000,フィッシュラー改革-』
第1章 CAPと本書へのいざない
第2章 EUの政策決定機関とCAPにおける役割
第3章 CAPの意思決定に影響を及ぼそうとする農業者と諸外国
第4章 CAPにおける交渉の実際
第5章 1992年のマクシャリー改革
第6章 1999年のアジェンダ2000改革
第7章 2003年のフィシュラー改革
第8章 CAP改革の決定要素を探る:主要意思決定者に対するデルファイ調査
第9章 2003年以降:ヘルス・チェックから新たな不確定性「ポスト2013年」まで
第10章 結論:知見と展望
参考文献
刊行年月日
2014年11月28日
著者/
研究者紹介
平澤   明彦 (ヒラサワ アキヒコ) : 役員・理事長・顧問・理事研究員 等 リサーチ&ソリューション第1部   理事研究員 研究員紹介を見る
和泉   真理 (訳) (イズミ マリ) :JC総研   客員研究員
市田   知子 (訳) (イチダ トモコ) :明治大学   教授
Alan   Swinbank (著) (アラン スウィンバンク) :レディング大学   名誉教授(1970年代半ばに欧州委員会農業総局)
Arlind   Cunha (著) (アルリンド クーニャ) :ポルトガル・カトリック大学   教授(ポルトガル農業大臣、欧州議会議員などを歴任)
出版地
東京
出版者・
発行元
農林統計出版株式会社
形態(サイズ、
ページ)
A5判 310ページ 並製
入手条件・
価格
定価3,500円(税別)
掲載媒体
『書籍』
2014年11月28日号
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  
(詳細区分):海外農業
ISBN
978-4-89732-303-9
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/publication/books/5460.html