書誌情報
論題:世界一電子化されたフィンランドの金融業界-電子取引が最も進んだフィンランド金融業界におけるその現状と各金融機関のマルチチャネル戦略-
00.08.01[ 更新10.09.02 ]
- タイトル
- 世界一電子化されたフィンランドの金融業界-電子取引が最も進んだフィンランド金融業界におけるその現状と各金融機関のマルチチャネル戦略-
- 要旨
-
今春,欧州における金融機関の多様化するチャネルの現状について調査を行った。調査対象国5カ国(イギリス,スウェーデン,フィンランド,ドイツ,オランダ)の中でも,欧州各国も注目するフィンランド金融業界は非常に興味深い状況であった。わが国同様に,フィンランドの金融業界はカジノ経済(バブル経済に相当),金融危機,公的資金の注入という歴史をもちながら,急速にその構造改革を達成した。同国マーケットは,大手商業銀行(メリタグループ),協同組合銀行(オコバンクグループ),元郵便貯金(レオニア銀行)という三つのグループが80%以上のシェアをもつという非常に寡占化されたマーケットであり,他方で85%の決済が電子化されているという世界で最も電子決済の浸透度が高いマーケットでもある。同国すべての金融機関が共通して,すべてのチャネルを顧客に提供し,チャネルは顧客が選ぶものであるという発想に基づき,チャネル特性にあった商品・サービスの提供に注力されている。各金融グループのチャネルの特徴は,若干の営業基盤・顧客基盤による違いしか見当たらず,チャネルは取引手段にすぎないということがいまさらながらに実感される。我が国におきかえた時,既存の金融機関がオンライン,インターネットに対し脅威を感じている現状があるのは事実であるが,チャネル自身は手段に過ぎず,何を提供するのか,商品・サービスの内容が問われていることに気づかなければならないであろう。
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- 刊行年月日
- 2000年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
丹羽 由夏 (タンバ ユカ) :調査第二部 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2000年08月号 第53巻 第8号 通巻654号 38 ~ 51ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):海外金融
- キーワード
- フィンランド,金融業界,IT環境
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1307.html