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論題:財投機関債と地方債の行方

05.01.01[ 更新10.09.03 ]

タイトル
財投機関債と地方債の行方
要旨

公的セクターにおける資金調達額は近年急速に拡大しており,その調達の場となる国債市場をはじめとした公共債市場では,様々な変革が必要とされている。その中でも,今後最も大きな変化が予想されるのが財投機関債市場と地方債市場であろう。市場規模の拡大だけでなく,財投機関債,地方債とも「暗黙の政府保証」の存在が指摘される中で,現在進行中の財投改革,政府系金融機関の改革,地方分権の進展などによって,制度・環境面での整備が,両債の金融商品そのものに大きな変化を及ぼす可能性がある。財投機関は,財投改革の進展とともに財投借入の規模が急速に縮小する中で,機関債発行を今後の資金調達の中心と位置づけていくことが期待されている。8政府系金融機関についてみてみると,緩やかながらその資金調達手段は機関債にシフトしていると言えよう。さらに,現在政府保証債について,財投債か機関債への移行が指摘されているため,今後も機関債での調達額は拡大していくことが予想される。地方公共団体は,新規の地方債発行を抑制する一方で,政府資金での引受額が減少しているため,市場公募債での調達を促進していくことが求められている。特に都道府県,政令指定都市においては,市場公募債での調達割合が大幅に高まっていくと予想される。また,今後中期的には借換債も増加していくと考えられるため,今後の市場公募債による調達額は非常に大きくなっていくであろう。財投機関債および地方債とも,市場では「暗黙の政府保証」の存在が指摘され,発行額が急拡大する中で,その金融商品としての不透明さはより問題となってくるであろう。05年から始まる政府系金融機関の組織改革論議,地方債における06年の起債許可制度の廃止と協議制移行,財投債および地方債の大きな引受先であった郵政公社の民営化など,大きな環境変化を前に財投機関債,地方債の今後の動向が注目される。

刊行年月日
2005年01月01日
著者/
研究者紹介
丹羽   由夏 (タンバ ユカ) :調査第二部   副主任研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2005年01月号 第58巻 第1号 通巻707号  28 ~ 39ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2005/01/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内金融
第二分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内経済
キーワード
財投機関債,地方債,公共債市場
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0501re3.pdf  472.8KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1699.html