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書誌情報

論題:個人投資家向け社債について-個人金融資産の動向と投資家保護-

05.09.01[ 更新10.06.18 ]

タイトル
個人投資家向け社債について-個人金融資産の動向と投資家保護-
要旨

1 今年4月のペイオフ本格実施を迎えて,個人金融資産の動向が注目されている。現在,
個人向け国債や外国債券ファンド,REIT(不動産投資信託)等が人気を集めている。
2 個人投資家向けの債券には,国債,地方債に加えて,これらよりも歴史がある個人投資
家向け社債が存在する。この個人投資家向け社債市場は,2004年度の発行額が3,640億円
と一定程度の規模はある。しかし,99年度から02年度には8,000億円台から1兆2,000億円
台の発行額を記録していたことを考えると,最近では人気には顕著に陰りが見られており,
「旬」の投資商品ではなくなっていると言える。
3 個人投資家向け債券の人気凋落の背景として,ひとつには,この商品に関する投資家保
護策の欠如や発行体企業・個人投資家間に存在する情報の非対称性といった不透明性が指
摘されてきた。直接的には,このような不透明性に起因して実際にデフォルトが起きたケ
ースがあった。
4 様々なリスクを持つ投資商品に個人投資家が投資する機会が広がりつつある。個人投資
家向け社債のこれまでの変遷は,個人投資家が主要なプレーヤーとして資本市場に根づく
かどうかを展望するうえで示唆に富むものと思われる。個人投資家に対して不透明な市
場・商品は長続きしないであろう。現在検討が進められている「投資サービス法」(仮称)
の主眼は投資家保護の強化にあり,その検討内容が注目される。一方で,投資家の側にと
っても,投資商品を単に預貯金の代替物として見るのではなく,リスクの存在をより強く
意識する姿勢が求められる。

刊行年月日
2005年09月01日
著者/
研究者紹介
橘髙   研二 (キッタカ ケンジ)
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2005年09月号 第58巻 第9号 通巻715号  2 ~ 12ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2005/09/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内金融
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0509re1.pdf  120.0KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1760.html