1. TOP
  2. 刊行物
  3. 農林金融
  4. 論題:金融機関の住宅ローン獲得力強化の動き-非金利競争力を向上させるために-

書誌情報

論題:金融機関の住宅ローン獲得力強化の動き-非金利競争力を向上させるために-

06.04.01[ 更新10.09.03 ]

タイトル
金融機関の住宅ローン獲得力強化の動き-非金利競争力を向上させるために-
要旨

あたって低金利は有力な武器であるが,より低い金利を競ってもその効果には限界があり,非金利競争力を高める必要がある,というのが本稿の結論である。このテーマを採り上げた趣旨は,銀行・信金・労金業界の住宅ローン戦略を紹介することで,JAバンクの住宅ローン伸長に役立てたい,ということである。日銀の量的緩和政策が解除され,主要行の住宅ローン金利は既に上昇に転じている。また大都市圏を中心に,地価上昇地点も増えてきた。つまり現時点は,住宅購入予定者が購入に踏み切る材料がそろっている。住宅着工統計をみても,05年秋ごろから増勢が明らかになっている。また経済情勢の好転を受けて,多くの金融機関は拡大型の営業戦略へとカジを切っている。住宅ローン商品の競争力は金利水準次第であると一般に認識されている。そのため,これまで金融機関は激しい金利引下げ競争を展開してきた。しかし,金融機関の住宅ローン競争を取り巻く環境は明らかに変わった。資金調達コスト上昇の可能性も視野に入れなければならないからである。非金利競争力の向上による住宅ローン獲得力強化が,これまで以上に求められるようになる。金融機関が住宅ローンの非金利競争力を高めるポイントについて,ここでは3点にまとめている。第一に,トップのリーダーシップのもと,渉外体制を強化し,住宅ローンを営業推進上の中核に据えることである。第二に,住宅ローン市場を丹念に観察したうえで,顧客のニーズが満たされていない分野をみつけること,あるいはニーズを開拓することである。第三に,顧客に対する情報提供力を高め,住宅ローン実行後もコミュニケーションを継続することで,顧客ニーズをフォローすることである。非金利競争力のスキル向上は,渉外担当者個々人の才覚に任せるというより,組織全体として取り組むべきものである。組織のなかで具体化・標準化された様々なスキルを,渉外担当者全員が共有する必要があろう。

刊行年月日
2006年04月01日
著者/
研究者紹介
永井   敏彦 (ナガイ トシヒコ)
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2006年04月号 第59巻 第4号 通巻722号  15 ~ 25ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2006/04/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内金融
第二分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内経済
キーワード
住宅ローン戦略,住宅ローン推進,非金利競争
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0604re2.pdf  77.1KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1813.html