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書誌情報

論題:森林組合員の林業経営意識と組合経営の課題と展望-組合員アンケートの成果を踏まえて-

08.07.01[ 更新10.06.18 ]

タイトル
森林組合員の林業経営意識と組合経営の課題と展望-組合員アンケートの成果を踏まえて-
要旨

中国をはじめとする世界的木材需要の拡大により,木材の需給は逼迫し,価格上昇の傾
向にある。また,わが国のバイイングパワーも中国などに押されて低下していると言われ,
外材輸入は以前に比べて難しくなっている。そのため,従来外材を原料としていた住宅・
合板・集成材の各メーカーなどが,原料を国産材に求める動きが進んでおり,国産材の需
要が高まっている。
 国内の森林は成熟が進んでおり,伐期に達する林分が増加している。しかし,長期の木
材価格の低迷から,林業の収益性は極めて低く,林業経営意欲が極端に低下しており,手
入れの放棄された荒廃林が増えている。また境界の不明な森林も多い。
 当総研が5年間実施してきた「森林組合員アンケート」によれば,森林経営意欲の極端
な減退,林業従事者の高齢化等による森林所有者の林業離れが現れており,森林・林業の
担い手としての森林組合への期待が高まっている。
 住宅・合板・集成材の各メーカーなどは国産材の低価格・大量・継続的な供給を求めて
おり,林野庁も新生産システム等でこれを後押ししている。しかし,急峻・狭隘なわが国
の森林では地形的限界が大きい。
 森林組合は大面積に集積した団地施業でこれに応える低コスト林業に取り組んでいる
が,林業経営の意欲を失った組合員を指導しとりまとめていくのはかなり困難な事業であ
る。
 わが国森林の地形的条件不利を克服し,低コスト林業を実施し,伐採・植林の持続的再
生産を繰り返すことにより,森林・林業の維持・管理を行うことが森林組合に求められて
いる。
 森林組合は自己変革を遂げつつあり,国や社会,マスコミや世論も森林・林業に対する
理解が少しずつ進んできている。森林組合をはじめとする森林・林業界に採算の合う林業
への萌芽がみられる。

刊行年月日
2008年07月01日
著者/
研究者紹介
秋山   孝臣 (アキヤマ タカオミ) :   専任研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2008年07月号 第61巻 第7号 通巻749号  27 ~ 41ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2008/07/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):林業
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0807re3.pdf  82.4KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2028.html