書誌情報
論題:地域銀行における格付取得の状況について-情報開示の観点からの考察-
10.02.01[ 更新10.09.06 ]
- タイトル
- 地域銀行における格付取得の状況について-情報開示の観点からの考察-
- 要旨
-
1 格付は,外部から銀行の経営内容を判断するためのわかりやすい指標と考えられており,銀行にとって格付は情報開示の代表的な媒体・手段になっていると言える。しかし,預金者や株主あるいは規制当局などの銀行の外部者が,銀行の経営内容などを評価するうえで格付を活用・重視している一方で,銀行においては,格付の取得状況(格付取得の有無および格付取得数)が,各行によって異なっている。このような現状の背景を分析するため,銀行ごとのどういう属性が,格付取得による情報開示に対するインセンティブに影響を与えているのかについて,地域銀行108行を対象にして検証する。
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2 まず,信金を分析対象にした先行研究および09年6月末時点の地域銀行の依頼格付の状況を踏まえて,地域銀行における格付取得の状況についての仮説を想定する。そして,想定した仮説を検証するために,地域銀行ごとの格付取得の有無を被説明変数とする実証分析と,格付取得数の状況を被説明変数とする実証分析を,それぞれ09年6月末時点で実施する。
3 分析結果は,調達の必要がある金額が大きく(総資産額が大きく),財務状態が良好な(自己資本比率が高く,資産収益率が高い)地域銀行ほど,格付を通じた情報開示を積極化させるインセンティブが強いことを示唆するものであった。また,一定以上のリスク管理能力や債券等の発行残高があり上場しているという特性も,格付を通じた情報開示を積極化させるインセンティブにプラスの影響を与えることが示された。 - 刊行年月日
- 2010年02月01日
- 著者/
研究者紹介 -
矢島 格 (ヤジマ イタル) : リサーチ&ソリューション第1部 調査第二部長 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2010年02月号 第63巻 第2号 通巻768号 16 ~ 29ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内金融
- 第二分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):海外金融
- キーワード
- 格付,格付会社,地域銀行,依頼格付,市場規律 ,情報開示
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2166.html