農林中金総合研究所

ＪＡの介護保険事業の課題は、①農村部で事業が展開しており利用者確保が困難、②事業の中心は、訪問介護事業、③訪問介護員不足が特に深刻、④制度改正に沿った事業展開がない、の4 点で、これらの課題に対し、事業と体制、経営管理、ＪＡらしさという観点から、先進ＪＡの取組みをみた。
　先進ＪＡは、介護専門職用の雇用体制の確立、運営やノウハウ等の外部調達、行政との連携体制強化等に取り組むほか、事業多角化で収支を安定させる経営管理方針や、ＪＡの総合事業性発揮等で、事業安定化に努めていた。
　収支安定化の努力は、事業面のみならず、他業態の参入が難しい農村の在宅介護体制をＪＡが支えているという点から、社会的な意義も大きい。