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書誌情報

論題:中国農民専業合作社の発展の現状・問題と今後の展望

13.02.01[ 更新13.02.01 ]

タイトル
中国農民専業合作社の発展の現状・問題と今後の展望
要旨

1 21世紀に入ってから,中国の農民専業合作社を発展させるための政策・法律環境は日増しに好ましい方向に進み,農民専業合作社は加速度的な発展の状況を呈し,これは中国の農業経営組織体制刷新の新たな注目点となっている。
2 しかし,農民専業合作社は一様に経営規模が小さく,経営能力が弱く,リスク負担能力が劣る。本稿は,農産物加工企業,農業資材供給業者及び農産物取次販売業者を代表とする非農業生産者と農産物生産者が共同で結成する,中国の特色を備えた合作社を重点的に分析し,その発生要因及びその制度プランの特徴に検討を加える。その結果判明したことは,この種の合作社は中国の農民専業合作社の主流形式であり,農民組合員は加入した後,農業経営収入が増加し,又は生産コストが低下するが,農民は合作社のなかで発言権を持たず,意思表示には実力行使しかなく,協同組合の基本原則を実行に移すことが難しいことである。
3 本稿は同時に,主流形態の農民専業合作社の組織的性格に変化が起き,合作社は中小の資本家又は商業者が主導し,農家という生産経営者が参画することで,「所有者-業務関連者」が同一のメンバー連盟となり,双方の関係は以前のゼロサムゲームから非ゼロサムゲームに向かいつつあると指摘する。こうした変化は,現在の中国が置かれている社会・経済環境に対するプラグマティズムの回答である。
4 本稿はさらに,中国の農民専業合作社の革新の動きを紹介する。1つ目は合作社を媒体とする土地流通方式であり,これには合作社の統一的な自己経営,又は下請経営,リース経営又は企業との共同出資経営が含まれる。2つ目は農民専業合作社連合体の発展,すなわち市場交渉力を高め,規模の経済を実現させ,垂直的な一体化経営を促し,同業者メンバー間の不毛な競争を防止する面で果たすその役割である。
5 本稿は最後に,中国の農民協同経済組織の将来の発展を展望し,次のような見方を示す。業縁を絆とする農民専業合作社は,今後農村協同組織の主流形式となるであろう。それは近代的農業づくりと市場競争環境の内在的要求に順応しており,且つ政策・法律環境もその発展にとって非常に有利なものである。一方,地縁を絆とする,伝統的なコミュニティ型協同経済組織は組織の存立基盤と内在的原動力を欠いている。協同経済組織としての機能を十分に果たせない場合は農民専業合作社の将来の発展には公司化,株式化の方向に向かって進む傾向が存在することになろう。

刊行年月日
2013年02月01日
著者/
研究者紹介
苑   鵬 (Yuan Peng) (ユァン ペン) : 中国社会科学院 農村発展研究所 研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2013年02月号 第66巻 第2号 通巻804号  37 ~ 50ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2013/02/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):海外農業
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1302re3.pdf  780.2KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/4632.html