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書誌情報

論題:人・農地プランとJAの地域農業振興計画

13.09.02[ 更新13.10.03 ]

タイトル
人・農地プランとJAの地域農業振興計画
要旨

1 第一に,「人・農地プラン」が,農業の「成長産業化」を強く打ち出している自民党農林部会の「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」,経済財政諮問会議の「日本再興戦略」,自民党の「参院選公約」にいかに深くかかわっているかを確認した。
 2 第二に,モノづくり,産地づくり,地域づくりの観点を欠くという致命的な欠陥をもつ人・農地プランであるからこそ,当然のことながらJAがモノづくり,産地づくり,地域づくりの旗を振ってプランづくりを側面から支え,リードしていかなければならないことを確認した。
 3 第三に,人・農地プランの対応課題として以下の8点を指摘した。
 ①今後,人・農地プランの策定がすべての補助金行政の前提条件化する傾向にどう対応するか。
 ②プランの策定主体も実施主体も市町村という枠組みのもと,JAグループが行政待ちにならずに,積極的に地域農業の行き詰まりの現状を打破して地域に活気ある取り組みをつくり出していく対応が求められている。
 ③農地行政と協力して遊休農地解消の課題にどう取り組むか。
 ④親元就農に対する条件緩和の取り組みとともに,法人経営の構成員として位置づけるという正攻法の対応が求められる。
 ⑤引き続き土地改良の課題をも視野に入れた新しい農地利用システムの開発の課題。
 ⑥人・農地プランの可能な限り集落全体をカバーする全体計画型手法と,地域営農ビジョンの一点突破型手法との調整と統合という今後に残されている大きな課題。
 ⑦新規青年就農者は園芸農業,受け入れる地域は土地利用型農業(あるいはその逆の関係も含めて)というミスマッチをどう調整するか。
 ⑧人・農地プランの作成,地域営農ビジョンの作成を機に,これを集落営農の新たな組織化,組織強化のきっかけとしてとらえ,新たな取り組みを展開する課題。等々である。
 4 最後に,JAグループがこれまでかかげてきた,「地域農業振興対策の要としての地域農業振興計画」という地域農業振興についての基本的な考え方を,今日,改めて確認することがきわめて重要であることを強調したうえで,人・農地プラン,JAの地域営農ビジョンを地域農業振興計画にどのように取り込んで策定するかを具体的に提示した。

刊行年月日
2013年09月01日
著者/
研究者紹介
小池   恒男 (コイケ ツネオ) : 一般社団法人農業開発研修センター会長理事
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2013年09月号 第66巻 第9号 通巻811号  2 ~ 14ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2013/09/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):国内農業
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1309re1.pdf  823.2KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/4887.html