書誌情報
論題:地域主導の再生可能エネルギー事業と地域金融機関――取組みの特徴と今後の課題――
13.10.01[ 更新13.10.01 ]
- タイトル
- 地域主導の再生可能エネルギー事業と地域金融機関――取組みの特徴と今後の課題――
- 要旨
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全量固定価格買取制度(FIT)の開始によって,再生可能エネルギー(再エネ)への取組みが拡大しているが,装置産業である再エネ事業では資金調達が重要となる。
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本稿は地域主導の再エネ事業と地域金融機関の関係に着目し,両者の関係性を整理した上で,取組みの現状をまとめ,最後に今後の課題についてまとめたものである。FITの開始によって,再エネ事業の資金調達は,補助金主導型から民間資金・ノウハウ活用型へと変化した。これに伴い,再エネ事業の資金調達にとって,金融機関からの借入の重要性は非常に大きくなった。再エネ事業では,地域金融機関の役割に期待が集まっている。それは,小規模分散型の再エネ事業は地元企業や地域組織が行う場合が多く,融資額も相対的に小さいほか,業態によっては特定の再エネ事業との関係性が非常に深いことから,地域金融機関が借入先として選択されやすいためである。
また,地域金融機関のもつ地域のネットワークなどは,再エネ事業の活性化に寄与しうる。地域の価値創造への貢献や環境金融・社会的金融という側面からは,地域金融機関にとっても地域主導の再エネ事業を推進する意義は大きい。地域金融機関の再エネ融資の現状をみると,比較的小規模な太陽光発電で,既存取引先が経営多角化の一環として取組む案件を中心に拡大している。
また,再エネ専用融資メニューの導入や再エネ専担部署の設置,公的金融の活用なども進んでいる。今後の再エネ事業を展望した場合には,地域金融機関には,再エネで起業した新規事業者への融資や,風力発電・バイオマス事業などの太陽光以外の再エネへの融資に対するノウハウの蓄積が求められてくることになると思われる。
- 刊行年月日
- 2013年10月01日
- 著者/
研究者紹介 -
寺林 暁良 (テラバヤシ アキラ) :調査第二部 研究員 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2013年10月号 第66巻 第10号 通巻812号 40 ~ 53ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内金融
- 第二分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):環境
- キーワード
- デットファイナンス,地域金融機関,環境金融、,地域銀行,再生可能エネルギー融資,融資商品
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/4921.html