農林中金総合研究所

中国の農村信用社連合組織である省農村信用社連合社（省連合会という）は発足してから10年が経過するが，農村信用社を県農村信用社連合社に統合するほか，農村合作銀行，農村商業銀行へと組織改組に取り組んでいる。これらの取組みを通じて農村信用社組織は，経営状況が改善され，また省連合会の業界管理機能・サービス提供機能を受けて地域最大の金融機関になっている。
しかし，省連合会は複合的な性格（二重性）をもっており，すでに再改革の対象にもなっている。省連合会の性格は曖昧であり，こうした状況が続くことにより，管理下の会員の自主的経営が侵食される可能性が高いと見られる。この意味で，省連合会の業界管理機能とサービス提供機能は分離される必要がある。