農林中金総合研究所

2014年5 月15日に，「宮城県の農業復興への取組みについて」をテーマとして，全国農業協同組合連合会宮城県本部前本部長千葉和典氏による講演会を開催した。これはその記録である。
11年3 月11日に発生した東日本大震災後，全農宮城県本部は，被災地の農家・組合員の実態およびニーズを把握するため全JA巡回を行い，大きな困難のなかで被災地の現場の要望に応える食料や生活物資支援の取組みを続けた。また，農業の復旧・復興にあたっては，現場のニーズを最大限くみ取ったうえで，全農の災害対策積立金を活用した支援の枠組みをつくりあげ，公的助成の対象になりにくい部分も含めたきめこまかな支援により，被災した農業者の営農再開を全力で支えてきた。
千葉前本部長は，1977（昭和52）年に宮城県経済連に入会され，2009年10月に全農宮城県本部の本部長に就任。就任1 年半後に東日本大震災に遭遇し，その後14年3 月末まで，全農宮城県本部本部長として，震災からの復旧・復興の陣頭指揮をとってこられた。
今回の講演会では，震災からの農業復旧・復興における全農宮城県本部の取組みを，緊急的な支援から始まり，宮城県の農業の持続的発展に向けた現在の取組みに至るまでお話をいただいた。