書誌情報
論題:農業委員会制度の見直しについて――「農地の番人」はどこへ向かうのか――
15.06.30[ 更新15.08.19 ]
- タイトル
- 農業委員会制度の見直しについて――「農地の番人」はどこへ向かうのか――
- 要旨
-
農業委員会は戦前の農地委員会に一つの起源を持つが,戦後の農地改革を経て「農地の番人」と位置付けられる組織になった。地域の農業者から選挙で選ばれた委員が農地の権利移動を許可する仕組みは,農業者の「自治」を体現している。また,農業情勢の変化を背景にその機能は能動的なものに変化し,現在では農地の利用集積,遊休化抑止などにも大きな役割を果たしている。
VIEW MORE CLOSE
今回の農業委員会法改正では,委員の公選制廃止や上部団体の組織転換,建議の法定業務からの除外など制度の根幹が見直される。自治体や農地中間管理機構を補完するだけの組織に変質していく懸念もある。
農協や農業生産法人制度と合わせた「3点セット改革」は「地域の農業者こそが農業の主人公」という戦後農政の基本的枠組みを崩す点で通底している。農業委員会についても,現場の農業者や農業団体の努力で制度の形骸化を防いでいく必要がある。 - 刊行年月日
- 2015年07月01日
- 著者/
研究者紹介 -
行友 弥 (ユキトモ ワタル) : 特任研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2015年07月号 第68巻 第7号 通巻833号 35 ~ 44ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):国内農業
- キーワード
- 農地,農業委員会,公選制,中間管理機構,農政改革
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/5692.html