書誌情報
論題:中国における不足払い制度の模索――綿花,大豆での試行と成果――
15.07.31[ 更新18.03.22 ]
- タイトル
- 中国における不足払い制度の模索――綿花,大豆での試行と成果――
- 要旨
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中国は,主食穀物等重要農産物の国内生産量を高い水準に保つため,農業支持政策の抜本的改革の一環として「価格支持制度」から「不足払い制度」への転換に着手した。これは,政府支持価格での買付によって市況の上昇を図る仕組みから,価格決定は市場に任せ,あらかじめ設定した「目標価格」と市場価格との差額を政府が農家に補填する直接所得補償に変えるということである。
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中国は農家の生産意欲を刺激する目的で支持価格を大幅に引き上げてきた結果,近年,国産農産物価格が輸入価格を上回る逆転現象が起き,輸入が急増すると同時に,政府在庫が膨張してしまった。不足払い制度への転換は,国産農産物価格を抑制して輸入農産物に対する競争力を保ちながら農家の所得を保障し,結果的に高い自給率を維持することを目的にしている。中国では重要農産物の関税率が低いためやむを得ない転換であるが,WTO規律や財政負担増との兼ね合いが課題となろう。 - 刊行年月日
- 2015年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
阮 蔚(Ruan Wei) (ルアン ウエイ) :基礎研究部 主席研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2015年08月号 第68巻 第8号 通巻834号 2 ~ 17ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):海外農業
- キーワード
- 不足払い,目標価格,価格支持制度,支持価格,直接所得補償,農業助成額
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/5731.html