書誌情報
論題:オランダにおける耕種農業の概要と大規模露地野菜経営
17.06.30[ 更新17.06.30 ]
- タイトル
- オランダにおける耕種農業の概要と大規模露地野菜経営
- 要旨
-
わが国では,オランダ農業は資本・技術集約型の施設園芸というイメージが強いが,それ以外の農業部門も広汎に存在する。
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オランダの露地園芸では,バレイショ,ニンジン等の根菜類やキャベツ,アスパラガス等の葉茎菜類等が生産されている。それらの野菜の反収は,オランダがドイツよりもはるかに高い品目が多い。世界的な種苗メーカーが国内に立地し,新品種や多収技術を容易に実装できる環境が高反収の要因の1 つとみられる。
現地で訪問した大規模露地園芸経営Green Specialties Holland B.V.(GSH)では,自社で生産したミズナ等を原料として,斬新なカット野菜商品へと加工し,国内外の実需者へ直接販売している。同社は,国外の生産者との連携や,差別化商品の開発等,様々なイノベーションを取り入れつつ,ビジネスモデルの研磨を不断に行い,安定的な成長を続けている。
確かにGSHのような経営はあるが,一般的にオランダ農業は外需に依存し,その変化に脆弱である。オランダをわが国への参考とするならば,外需の変化から同国農業がいかなる影響を受け,いかにして克服しているのか,注視すべきだろう。また,高い土地生産性等,オランダ農業を支えるイノベーションについて,産学官連携(ゴールデントライアングル)等の賜物といったシェーマティックな理解にとどまらず,産学官連携を構成する各主体の相互作用等,具体的な仕組みを把握することも重要だろう。 - 刊行年月日
- 2017年07月01日
- 著者/
研究者紹介 -
一瀬 裕一郎 (イチノセ ユウイチロウ) :食農リサーチ部 主事研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2017年07月号 第70巻 第7号 通巻857号 21 ~ 35ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):海外農業
- 第二分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):食品・フードシステム
- キーワード
- オランダ,輪作,イノベーション,土地生産性,露地園芸,カット野菜
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/6427.html