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書誌情報

論題:漁業権の運用における漁協の役割─2つの事例から─

18.03.30[ 更新18.03.30 ]

タイトル
漁業権の運用における漁協の役割─2つの事例から─
要旨

漁業権は,所定の手続きを経て,漁業法に基づく権利として「発生」するが,その「行使」の態様は地域ごとに多様である。さらに,権利の行使活動である漁業生産が収入という形で経済的な対価をもたらし,再生産を可能にするという意味で,権利の「実現」を観念するなら,やはりこの「実現」も地域ごとに多様である。このような認識のうえで,本稿では,「漁業」ではなく「権利」の部分に焦点を当てることで,漁業権に対して,法社会学の観点からの接近を試みた。
権利主体は個別の経営体であるとしても,漁協は,漁業権の「行使」や「実現」に関わって,地域の実情に応じた重要な役割を果たしている。福岡県糸島漁協においては,カキ養殖とカキ小屋が近年大きな成長を遂げたが,その裏側において焼きカキ殻とへい死貝の処理が問題となった際,漁協が管内全体を取りまとめ,他業種との連携の要となることでリサイクルの体制を構築する役割を果たした。これは,漁協が静脈流通の問題に対応するという仕方で,個別経営体が漁業権を持続的に行使するための環境づくりにあたった事例と捉えることができる。
また,漁業法の想定とは異なり,家族経営体による真珠養殖が主流となっている愛媛県において,真珠養殖経営体は現在いくつかの経営環境上の難題に直面している。しかし,現在の対応の動向を見る限り,漁協系統や組合員組織が課題解決に向けた取組みにあたろうとしており,組合管理漁業権の対象でない真珠養殖であっても,やはり漁業権の「行使」や「実現」に際しての漁協の役割を見いだすことは可能である。

刊行年月日
2018年04月01日
著者/
研究者紹介
亀岡   鉱平 (カメオカ コウヘイ) リサーチ&ソリューション第2部   主事研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2018年04月号 第71巻 第4号 通巻866号  21 ~ 38ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2018/04/
第一分野
(大区分):協同組合・組合金融・地域  (詳細区分):漁協
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1804re2.pdf  1.0MB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/7060.html