書誌情報
論題:スペインおよびオランダの青果物流通・小売構造―公的セクターと卸売市場の関係に着目して―
19.06.28[ 更新19.06.28 ]
- タイトル
- スペインおよびオランダの青果物流通・小売構造―公的セクターと卸売市場の関係に着目して―
- 要旨
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わが国では2018年の卸売市場法改正によって、これまで国や県・市が主導して開設・運営してきた卸売市場に対する公的セクターの関与が弱まる方向へ進んでいる。
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EUでは食料の安定供給は公的セクターの重要な責務との考えから、公的セクターが主導して卸売市場を開設・運営してきたが、近年国によっては卸売市場に対する公的セクターの関与が弱まり、卸売市場の民営化が行われることもある。
青果物の主要生産国であるスペインとオランダの分析を踏まえると、スペインの卸売市場は現在でも青果物流通の主要チャネルであり、青果物の国内消費量の65%が経由する一方、オランダの卸売市場は主として中小の食品小売店等へ青果物を供給するにとどまり、大規模量販店と取引する専門農協等のサプライヤーが青果物流通の主たる担い手である。
この両国の相違には、第1 に卸売市場に対する公的セクターの関与の相違(国が主導して主要都市に卸売市場を開設したスペインに対し、国は関与せず少数の市が卸売市場を開設したオランダ)、第2 に青果物の小売構造の相違(少数の大規模量販店が圧倒的なシェアを持つオランダに対し、伝統的食品小売業が一定の存在感を保つスペイン)が影響している可能性がある。 - 刊行年月日
- 2019年07月01日
- 著者/
研究者紹介 -
一瀬 裕一郎 (イチノセ ユウイチロウ) :食農リサーチ部 主事研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2019年07月号 第72巻 第7号 通巻881号 19 ~ 41ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):食品・フードシステム
- 第二分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):海外農業
- キーワード
- 卸売市場,民営化,公共インフラ,スーパーマーケット,寡占度
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/7599.html