農林中金総合研究所

2019年3 月29日に、フランスのボルドー大学経済学部教授、マリリン・フィリッピ博士を講師に迎えて、フランスの農協についての講演会を当社で開催した。これはその記録である。
フィリッピ博士は大学で教鞭をとるとともに、フランス国立農学研究所（INRA）の研究員であり、農協を監督する農業協同組合高等評議会（HCCA）の委員も務める、農協研究者である。
フランスはEU第一の農業大国ではあるが、川下では大手加工・流通資本等の寡占化が進み、また輸入農産物との競争も厳しい。そうした状況のもと、フランスでは、小規模な農協が減少する一方、商事法に基づく多くの子会社を抱える大規模な農協グループが発展し、農協全体として売上高、職員数ともに増加している。その背景には、農協の強化につながった法制度が存在していることを博士は指摘している。