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書誌情報

論題:「水産政策の改革」後における漁協論の再構成に向けて─法学的観点からの接近─

20.11.30[ 更新23.11.22 ]

タイトル
「水産政策の改革」後における漁協論の再構成に向けて─法学的観点からの接近─
要旨

「水産政策の改革」と関連する法改正により、漁協を取り巻く制度環境は大きく変化した。また、改革は中間団体を媒介とした地域資源管理に特徴のあった第一次産業に関する財産権秩序を変動させるものであることから、憲法第29条に関する法的問題を内在していた。本稿では、これらの変化・課題に対応するよう、協同組合と村落共同体の二面性の併存という従来の漁協論を再構築する必要があるとの認識から、その準備作業として、近時の事業展開、組合活動、政策の三点につき漁協の動向把握を行った。
事業展開に関しては、①合併と経営合理化による事業利益の回復傾向と職員不足の同時進行、②買取販売の拡大による販売事業の質的変化、③地域漁業維持のための自営漁業の拡大、といった諸点を取り上げた。そして、それらの動向を、沿岸漁業が低迷するなかで、漁協が自ら負担を負うことで、従来型の漁協像を保守しようとするものであると性格づけた。組合活動に関しては、「排除と包摂」という観点から、積極的な新規就漁者の獲得活動、漁業権行使規則の自発的見直しといった事例を意味づけすることで、漁協を含む地域中間団体に対する「疑似公共性」批判への応答を試みた。政策に関しては、「浜の活力再生プラン」を素材に、地方創生施策を履行するには、漁協を活用することが不可欠かつ合理的であることを確認した。最後に、協同組合としての経営展開の側面と開かれた地域共同体としての側面のバランスを意識的に取りながら発展させていく方向での二面性論の現代的更新が必要であると論じた。

刊行年月日
2020年12月01日
著者/
研究者紹介
亀岡   鉱平 (カメオカ コウヘイ) :基礎研究部   主事研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2020年12月号 第73巻 第12号 通巻898号  2 ~ 18ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2020/12/
第一分野
(大区分):協同組合・組合金融・地域  (詳細区分):漁協
第二分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):水産業
キーワード
憲法,経済的自由権
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2012re1.pdf  861.1KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/8208.html