農林中金総合研究所

自然資本・生物多様性をめぐる動向について、ビジネスセクターのかかわりという観点から、生物多様性条約の新世界目標や、自然関連財務情報開示タスクフォース（TNFD）のベータ版の概要を示し、具体的な金融機関、事業会社の取組事例を紹介した。まず生物多様性条約の新目標に関しては、30by30目標と情報開示に関する目標で企業の取組みが推奨されており、国内措置の検討も進んでいる。またTNFDでは現在、ビジネスにおける自然への依存とインパクトの特定といった内容を含む、情報開示の枠組のベータ版が公表されており、企業では対応に向けた動きが始まっている。金融機関や事業会社の先進的な取組事例もあらわれつつあり、今後は自然関連のデータの取得、多様な目標の関連づけ、パイロットテストへの参加などが、取組みのポイントになるとみられる。