書誌情報
論題:2020年の規制導入以降の中国における不動産関連貸出の変化と影響─6大銀行の不動産関連貸出を中心に─
23.07.31[ 更新23.11.24 ]
- タイトル
- 2020年の規制導入以降の中国における不動産関連貸出の変化と影響─6大銀行の不動産関連貸出を中心に─
- 要旨
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「住宅は住むためのもので、投機のためのものではない」という政策方針の強化を受けて、中国の金融当局は、2020年にかつてない厳しい「債務規制」と「貸出規制」を導入した。これらの規制導入で不動産市場の調整が再び起こるなか、不良債権比率の上昇等による銀行経営への影響が懸念されている。
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こうした問題意識の下、本稿は、規制導入後の不動産関連貸出の変化と特徴、20年までの商業銀行の不動産関連貸出の不良債権の状況を示したうえで、6大銀行の財務データを利用して規制導入前後の不動産関連貸出の変化と特徴、特に個人向け住宅ローンと不動産業関連貸出の質の変化とそれによる影響を考察した。
その結果、規制導入後の個人向け住宅ローンの不良債権比率はわずかな上昇にとどまったものの、不動産業向け貸出の不良化が一段と進んだことが判明した。このように不動産市場の大幅な調整は、不動産関連貸出の「質」の悪化をもたらしているが、直ちに銀行経営に大きな影響を与えるものではない。むしろ、その調整は銀行経営よりも地方財政に大きな影響を及ぼしていると考えられる。 - 刊行年月日
- 2023年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
王 雷軒(Wang Leixuan) (オウ ライケン) :リサーチ&ソリューション第1部 主任研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2023年08月号 第76巻 第8号 通巻930号 15 ~ 33ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):海外経済
- 第二分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):海外金融
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9432.html