書誌情報
論題:漁協における事業多角化の意義と課題―第3期浜プランでの「海業」への対応を念頭に―
23.09.29[ 更新23.09.29 ]
- タイトル
- 漁協における事業多角化の意義と課題―第3期浜プランでの「海業」への対応を念頭に―
- 要旨
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水産基本計画を踏まえ、第3期浜プラン(2024年度~)では、漁協は海業の取組みを通じて地域活性化を推進していく方針である。海業は漁業外所得確保策の総称であり、漁協を主体とする場合は事業多角化と読み替えることができる。浜プランは、主体と対象の点で漁業外の要素を取り込むことで、地域全体の振興にかかわる、より公益的な価値に接近しつつある。この傾向は特に観光業と接合する際に顕著に認められる。
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漁協による事業多角化は、現実には必ずしも広がりを見せてはいない。海業推進のためにはこの停滞感を乗り越える必要があり、そのためには、実際に海業として何をしているのかという中身に関するアイディアよりも、新規事業着手時の課題をいかに乗り越えたかという点に注目することが有益である。先行事例である太地町漁協の取組みからは、行政との連携、多様な負担軽減策の積み上げ、組合員との丁寧な利益調整、第三者の視点を交えながらの組合内部の合意形成といった、具体的かつ実践的なポイントを析出することができた。特に行政との連携関係を構築するには、交流人口の増大等地域課題の共有化が重要であり、連携を通じて漁協は漁業にとどまらない地域活性化の担い手としてより一般性の高い地位を獲得できると期待される。さらに、地域課題の共有化を起点とした連携は、行政以外の多様な団体との関係構築にも応用可能である。 - 刊行年月日
- 2023年10月01日
- 著者/
研究者紹介 -
亀岡 鉱平 (カメオカ コウヘイ) : 大分大学経済学部 准教授 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2023年10月号 第76巻 第10号 通巻932号 2 ~ 21ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域 (詳細区分):漁協
- 第二分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域 (詳細区分):農村漁村
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9479.html