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書誌情報

論題:有機食品市場における量販店の役割―ドイツの事例から―

25.06.02[ 更新25.05.28 ]

タイトル
有機食品市場における量販店の役割―ドイツの事例から―
要旨

本稿は、有機食品の市場規模が大きいドイツでの現地調査を基に市場拡大における食品量販店の役割を考察したものである。同国では食品量販店による有機食品の取扱いによって市場が拡大し、近年では安価な商品を扱うディスカウントストアの存在感が目立っている。青果に焦点を当てた調査の結果、ディスカウントストアでは一般的な栽培方法である慣行栽培による青果と有機栽培による青果を隣り合わせで販売しており、積極的に消費者に有機食品の購入機会を提供していた。さらに他業態に比べて店舗数が多いことや、割安な価格設定も消費者の有機食品への認知度向上に貢献していると考えられる。しかし、同国内での生産の伸びが市場拡大に追いついていないとみられるため、店舗には輸入品が多く見られた。
日本においても消費者の価格志向を考えると割安な輸入品が増えることが想像される。そこで、食品量販店が持つ有機食品の市場拡大への効果と有機農業の持続可能性との両立を考えたビジネスモデルが求められる。その観点から、日本で展開している地域の食品を中心に販売する「地域密着型スーパー」のモデルに注目した。特に物流費の低減や、地域の有機農家との年間契約による価格の安定は、消費者の有機食品購入の拡大に資するものと思われる。

刊行年月日
2025年06月01日
著者/
研究者紹介
山本   裕二 (ヤマモト ユウジ) :リサーチ&ソリューション第1部   研究員 研究員紹介を見る
河原林   孝由基 (カワラバヤシ タカユキ) :リサーチ&ソリューション第2部   主席研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2025年06月号 第78巻 第6号 通巻952号  2 ~ 15ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2025/06/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):海外農業
第二分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):食品・フードシステム
キーワード
ドイツ,有機農業,有機野菜の流通・販売,食品量販店,有機(オーガニック)認証,地域密着型スーパー
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2506re1.pdf  1.3MB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9916.html