書誌情報
- タイトル
- 『地域からの六次産業化 ~つながりが創る食と農の地域保障~』
- 要旨
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農業の六次産業化(六次化)とは、一次産業に二次・三次産業を組み合わせて農業の付加価値を高めようとする取組みであり、2011年に法律が制定され、農業の成長産業化の柱と位置づけられている。実際、六次化の事業認定については農業者だけでなく地域活性化を図る観点から自治体の間でも高い関心が寄せられている。
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しかし、六次化そのものは戦前からの伝統を持つ農協の加工事業をはじめ、直売所、産直事業など様々な取組みが既に行われてきた。政策としても、農商工連携、クラスター事業等、先行する類似政策が多い。
日本の食は激しい市場競争と人口減少社会の下で縮小傾向にあり、農業だけでなく川中・川下の大手企業であっても収益を確保するのが難しいのが実情である。農業の六次化は、こうした食の現状やこれまでの六次化の歴史や実績を踏まえ、その課題や困難さを冷静に見つめる姿勢が必要である。
本書では、六次化を農業・農村の一面的な市場的適応と捉えるのではなく、地域自らが主体となり地域資源や価値を保全し、高めていこうとする協働的な意思や活動を重視すべきと考える。地域の人びとが共感し、参加し、支持する「地域の六次化」を進めていくことで、結果として(時に意図しない形で)差異化された本物の地域ブランドの源泉となる。六次化が地域のつながりを強め、非経済的な分野を含め地域のセーフティネットを高め、これがまた六次化を支える基盤となる関係がある。
こうした視点から、本書では、農協や農村女性、地場企業との農商工連携など14の先進事例の検討を通じ、地域主体の六次化の成功と可能性の道筋を探った。 - 目次・表紙
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序 章 なぜ、いま地域の六次化なのか
第1章 食から探る六次化の領域と可能性
第2章 六次化と農商工連携の政策展開と課題
第3章 地域をつなぐ農協の六次化
第4章 農商工連携による六次化の進展
第5章 農村女性が切り拓く六次化
第6章 異業種からの農業参入と地域活性化
第7章 地域の六次化の条件と戦略
終 章 六次化を地域の暮らしに活かす視点 - 刊行年月日
- 2014年09月22日
- 著者/
研究者紹介 -
室屋 有宏 (ムロヤ アリヒロ) :基礎研究部 主席研究員 - 出版地
- 東京
- 出版者・
発行元 - 株式会社 創森社
- 形態(サイズ、
ページ) - A5判233頁
- 入手条件・
価格 - 定価:本体2,200円(税別)
- 掲載媒体
- 『書籍』
2014年09月22日号 - 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境
(詳細区分):国内農業 - 第二分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境
(詳細区分):食品・フードシステム - ISBN
- 978-4-88340-292-2 C0061
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/publication/books/5392.html