農林中金総合研究所

ユーロ圏は2023年第1四半期にリセッション入りしたが、その主因はドイツ経済の不調にある。この不調は単に景気循環の中での一時的な現象とは見なし難く、ドイツ経済は構造的な問題点を抱えながら、先行き少なくとも1年程度は低迷状態が継続する可能性が大きい。この間はドイツの経済情勢が重荷となることで、ユーロ圏全体としても低成長が継続することが予想される。そして、下方硬直性が強いインフレと脆弱な経済情勢の間に立たされ、ECBの政策の舵取りは一段と難度を増すことになるものとみられる。