書誌情報
論題:EUの乳製品市場の国際化とドイツ酪農協の対応
13.04.01[ 更新13.04.01 ]
- タイトル
- EUの乳製品市場の国際化とドイツ酪農協の対応
- 要旨
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1 2000年代以降,EU共通農業政策改革の影響で,EUの生産者乳価と国際市場の連動は強まっている。国際化する農産物市場に対応するため,市場競争力を強化すべく,酪農協及び組合員である酪農家の規模拡大は進んでいる。しかし,酪農協は,組合員間の規模格差が広がるなかで,組合員との関係性の変化という事態に直面している。
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2 とくに大規模な酪農家の不満が大きいのは,ドイツの酪農協の統一的な生乳生産者価格の決定方法である。ドイツの酪農協は全組合員の生産者乳価を統一的な価格基準に基づき決定するが,協同組合以外の企業では,各酪農家は生産者乳価に対する相対交渉を行う。この酪農協の統一的な価格基準は,企業の自由度を重視する大規模経営層から評価が低い。一方で,小規模経営層は取引の安定性を重視し,出荷生乳全量を受け入れる酪農協の評価が高い。
3 ドイツ・ライファイゼングループでは,特に大規模経営層の酪農協ばなれや乳製品の国際競争の激化等の課題に対し,組合員との関係性強化や,衛生面での高品質性の追求といった対策に取り組んでいる。農業構造の変化に伴い,単協と組合員との関係性を強化するような連合会の役割やグループとしての戦略の重要性が高まっている。 - 刊行年月日
- 2013年04月01日
- 著者/
研究者紹介 -
小田 志保 (オダ シホ) :調査第一部 研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2013年04月号 第66巻 第4号 通巻806号 56 ~ 64ページ - 掲載コーナー
- 外国事情
- 第一分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域 (詳細区分):海外協同組織金融機関
- キーワード
- EU,共通農業政策,酪農協,ドイツ・ライファイゼングループ,連合会,乳価
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/4688.html