1. TOP
  2. 刊行物
  3. 経済・金融レポート
  4. 論題:最近の新興国通貨下落とインド経済

書誌情報

論題:最近の新興国通貨下落とインド経済

13.07.26[ 更新13.07.26 ]

タイトル
最近の新興国通貨下落とインド経済
要旨

先進諸国での金融緩和によって発生した過剰流動性により、新興国へのマネー流入が増大してきた。しかし、最近では米国における量的緩和第3弾(QE3)の規模縮小を近い将来開始されるとの見方が強まり、新興国の多くで株安、米ドル高が進んだ結果、株価の水準は11年の欧州債務危機や米財政問題が不安視されたときの水準まで下げた。新興国は経常・財政収支ともに赤字であることが多く、短期的な資金の引き上げはファンダメンタルズにさらなる影響を与えかねない。
 13年5~6月の対米ドル通貨下落率が大きかった新興国の一つであるインドでは、慢性的な経常・財政赤字の発生や、対外債務増加に直面している。こうした状況下での米ドル高印ルピー安は、インド国内のインフレ上昇に拍車をかけ、経済成長がさらに抑制される可能性が高い。また、さらなる財政赤字の積み増しは、ルピー安に拍車をかけることから、積極財政による景気対策やインフラ整備は期待できない。
 インドでは、IT関連産業が成長し続けるほか、農林水産業も依然として成長を支える一方、欧州向けをはじめ輸出が落ち込んでいることが鉱工業の成長を鈍化させている。人口ボーナスを当面享受でき、また中間層人口の増加が望めるなど、海外から投資の対象となる潜在力は高いものの、構造上のリスクを依然抱えているといえる。

刊行年月日
2013年08月01日
著者/
研究者紹介
多田   忠義 (タダ タダヨシ) : リサーチ&ソリューション第2部   主任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『金融市場』
2013年08月号 第24巻 第8号 通巻273号  20 ~ 25ページ
掲載コーナー
分析レポート
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/market/contents/2013/08/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):海外経済
第二分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):海外金融
キーワード
新興国,通貨下落,金融緩和政策,インド
出版者・編者
株式会社農林中金総合研究所  
ISSN
1345-0018
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f1308ar1.pdf  718.0KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/market/contents/4845.html