書誌情報
論題:2016年度の住宅着工と住宅ローンの動向~依然として堅調な貸家着工、住宅関連貸出も増加~
17.07.28[ 更新17.07.28 ]
- タイトル
- 2016年度の住宅着工と住宅ローンの動向~依然として堅調な貸家着工、住宅関連貸出も増加~
- 要旨
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2016年度の住宅着工戸数は底堅く推移した。貸家が08年以来の水準となり全体を牽引したほか、持家と分譲一戸建も増加に寄与した。その要因は、(1)住宅地の地価下落継続による着工後押し、(2)分譲マンション価格上昇で割安となった持家や分譲一戸建などの戸建系住宅の需要増、(3)歴史的な低金利環境と金利の先高観、(4)相続税対策による貸家着工増、(5)補助金、税制優遇等の各種施策による住宅着工の下支え、の5つが考えられる。また、住宅価格の上昇で、中古マンションや中古戸建住宅の需要増も確認された。
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住宅ローンは、新規貸付額が増加したほか、残高の伸びも高まった。こうした中、地銀・第二地銀の17年3月期決算説明会では、資金収益を改善するために住宅ローンのボリューム増を達成するも、一段の金利低下と団信保険料の経費増もあり、厳しい経営環境であることが報告された。収益改善策として、業務の集約化や早期回答、専門職員の配置による住宅ローン取り込みの強化、職域推進や多様な商品・サービスの投入などが挙げられた。
今後を見通すと、相続税対策等で貸家着工は当面底堅く推移すると予想される。また、補助事業や税制優遇等の政策効果に加え、低金利環境、さらには金利先高観による住宅取得の動機づけもあり、戸建系の取得環境は当面良好といえる。ただし、世帯数の減少や金利上昇リスク、中古住宅市場の拡大などにより、住宅着工戸数は現状水準から減少することが予想される。 - 刊行年月日
- 2017年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
多田 忠義 (タダ タダヨシ) :調査第二部 研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『金融市場』
2017年08月号 第28巻 第8号 通巻321号 36 ~ 49ページ - 掲載コーナー
- 分析レポート(地域経済金融)
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内経済
- 第二分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内金融
- キーワード
- 住宅着工戸数,住宅ローン,低金利,金利先高観
- 出版者・編者
- 株式会社農林中金総合研究所
- ISSN
- 1345-0018
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/market/contents/6788.html