農林中金総合研究所

観光地のマーケティング強化が急がれているなか、地域金融機関が日本版DMO候補法人の構成員となったり、ファンドを通じて観光まちづくりに携わったりするなど、観光振興に積極的な様子がうかがえる。本稿では、筑波銀行の観光振興の取組みとして、「つくば地域活性化ファンド」を通じたかすみがうら市の地域DMOへの支援例を紹介する。筑波銀行は、地域DMOの設立段階から関わり、自治体や民間企業と協力しながら現在に至るまでサポートを行っている。筑波銀行の取組みは、適切な範囲内の関係者の選定やコネクションの有効活用など、地域金融機関が観光振興に取り組む上での示唆に富んでいる。地域にいながら外との結節点となり得る地域金融機関は、観光振興に新風を呼び込む役目としても今後活躍が期待できるだろう。