農林中金総合研究所

1～3 月期の実質GDP は民間消費と輸出が堅調に推移したことで、年率+2.4％としっかりした成長率を達成した。しかし、景気循環の主導的役割を担う民間企業設備投資が前期比マイナスとなった他、鉱工業生産など企業活動関連の月次指標も悪化するなど、企業部門の弱さが意識され、先行き不透明感を浮上させる結果となった。なお、この状況は一時的であり、米国経済が再び回復力を強めていく07 年度下期には脱却するだろう。金融政策については、今秋まで消費者物価の前年比マイナス状態が続く可能性が高いこともあり、次回利上げは10～12 月期まで見送られると予想する。一方、マーケットは、株価、長期金利ともボックス圏での展開が継続。為替レートは、対米ドル、対ユーロとも緩やかに円安が進行している。