書誌情報
論題:農村人口の将来見通しと地域活性化の課題
02.09.01[ 更新10.09.02 ]
- タイトル
- 農村人口の将来見通しと地域活性化の課題
- 要旨
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1 わが国の人口は,明治時代に入って以降継続的に増加してきたが,出生率の低下を背景に,数年後には減少に転ずることが見込まれており,増加から減少への転換点を迎えつつある。その影響を地域別に把握することを目的に,今回,都道府県別の人口を市部・郡部に分けて,2030年まで5年ごとに将来推計を行った。
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2.全国の人口は,2005年をピークに減少に転じ,2030年には1億1,200万人と2000年より12%減少する。都道府県別にみると,2030年の人口が2000年を上回るのは2県にとどまり,2030年時点では全都道府県で減少過程にあるなど,人口減少の動きは将来すべての都道府県共通の問題になると予想される。
3.これを市部・郡部別にみると,地域によって人口の増減に大きな差がでると予測される。2000年と2030年の人口を比較すると,人口が増加するのは市部・郡部ともに3県にとどまり,全国的に減少傾向が強い。このなかで,郡部では特に減少度合いが大きくなると予測され,12都道府県の郡部において人口が30%以上減少すると見込まれる。
4.人口の減少に伴い,高齢化も進展する。2030年の65歳以上人口割合は28.4%と現在の17.4%よりさらに高くなる。郡部では特に高齢化が著しく,40の都道府県の郡部で人口の30%以上が65歳以上になると見込まれる。
5.今後農村地域では人口減少と高齢化が著しくすすむ地域が多くなるとみられ,このような長期的な見通しを踏まえたうえで,地域活性化のための有効な取組みを実践することが求められる。基幹産業としての農林水産業の振興はもちろんであるが,さらに,ソフト面も含めた地域の魅力を高める取組み,縦割りを脱却した取組み,活性化に取り組む各主体を結びつけ相互に触発させあう活動,これらを全体として盛り上げる農協の取組みが重要であろう。 - 刊行年月日
- 2002年09月01日
- 著者/
研究者紹介 -
石田 信隆 (イシダ ノブタカ) :基礎研究部 基礎研究部長 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2002年09月号 第55巻 第9号 通巻679号 2 ~ 15ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域 (詳細区分):農協
- キーワード
- 人口,将来人口,高齢化,過疎,農村,地域活性化
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1474.html