書誌情報
論題:イギリスのクレジット・ユニオン-大きな転換期を迎えて-
03.03.01[ 更新10.09.02 ]
- タイトル
- イギリスのクレジット・ユニオン-大きな転換期を迎えて-
- 要旨
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イギリスのクレジット・ユニオンは,組合員によって所有され,経営が行われる金融協同組合である。クレジット・ユニオンの特徴は,組合員が職業や居住地域等の共通の関係(コモンボンド)で連帯していることである。ローン金利は1979年クレジット・ユニオン法により,月1%を上回らないことが定められており,組合員に低利のローンを提供している。
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クレジット・ユニオンの経営は,ボランティアの理事会によって無報酬で行われる。多くの組合では有給の職員はおらず,預金の受け入れ等もボランティアが行っている。
クレジット・ユニオンの数は,2000年末に687組合,組合員数は32万5,058人,預金残高は1億8,277万ポンド(約367億円),貸出金残高は1億7,466万ポンド(約351億円)であった。近年,組合数,組合員数とも増加しているが,現状では預金,貸出金とも極めて小口であり,クレジット・ユニオンがイギリスの消費者信用に占めるシェアも1%にも満たない。
クレジット・ユニオンは,2002年に大きな変化を迎えた。その監督権限が友愛組合登記所からFSA(金融サービス庁)に移り,他の金融機関と同様の規制・監督を受けることとなったのである。これにより,利用者は金融オンブズマンサービスや金融サービス補償機構によって保護されることとなったが,同時にクレジット・ユニオンはFSAの厳しい規制に従うこととなり,今後は金融機関としての基盤の拡充が必要となろう。 - 刊行年月日
- 2003年03月01日
- 著者/
研究者紹介 -
重頭 ユカリ (シゲトウ ユカリ) :調査第一部 副主任研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2003年03月号 第56巻 第3号 通巻685号 65 ~ 77ページ - 掲載コーナー
- 外国事情
- 第一分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域 (詳細区分):海外協同組織金融機関
- キーワード
- コモンボンド,社会的排除,ABCUL
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1522.html