農林中金総合研究所

ＴＰＰ交渉参加も含めて日本農業は転換を迫られているが、規模拡大等「攻め」の農業には展望はない。日本農業を地域農業の複合体としてとらえ、風土・特徴を生かした日本型農業を徹底していくところにこそ活路はある。①輸入農産物との差別化を生産者と消費者との関係性においての、産消提携や地域社会農業等を主とするコミュニティ農業の確立、②余剰化する水田を利用しての粗放型農業の中心としての水田放牧への取組み、③人・農地プランと連動させての地域営農ビジョンの推進と集落営農の法人化、ＩＴ活用による農業管理強化、の三つの大課題への取組みが急がれる。
このためには協同活動の活性化が不可欠であり、農協の適切な機能発揮が期待されているが、農協の真価が問われているということでもある。