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書誌情報

論題:漁協による製氷・貯氷事業の実施状況に関するアンケート結果の分析─施設統廃合の進展を見据えて─

22.02.28[ 更新23.11.24 ]

タイトル
漁協による製氷・貯氷事業の実施状況に関するアンケート結果の分析─施設統廃合の進展を見据えて─
要旨

漁協における製氷・貯氷事業は、事業総利益のわずかを占めるにすぎないが、①事業利益は慢性的な赤字であること、②漁業生産に不可欠な基礎インフラとして基本的に漁協が担わざるを得ない事業であること、③設備の老朽化の進行といった特徴を有しており、地域存在としての漁協と経営の合理性の対抗という漁協の組織課題が端的に表れている事業であると言える。
本稿では、漁協経営における製氷・貯氷事業の地位と特徴、漁協系統による課題への対応の経過といった前提となる事実を確認したうえで、製氷・貯氷事業の実施状況、氷の供給能力の状況、統廃合の実施状況(履歴・成果・今後の意向)といった内容につき、2020年に全国の漁協に対して独自に実施した「漁協アンケート調査」の結果に基づき整理した。
アンケート結果から、製氷・貯氷施設の統廃合を経験した漁協はなお少数であり、実施理由は「既存施設の破損・老朽化」を理由とした消極的なものが多いことが判明した。特に多数を占める施設所有・利用数が1基のみの小規模漁協においては、組合員の生産活動の維持のために事業を廃止するわけにはいかないことから、赤字のまま現状維持を選択せざるを得ない場合が多いことが推測される。こういった現状に即した対応策として、複数地域間での氷供給網の構築や専門業者等からの氷購入への転換といった方法が有効であると考えられ、その手段として浜の活力再生プランや浜の活力再生広域プランの有効活用が引き続き期待される。

刊行年月日
2022年03月01日
著者/
研究者紹介
亀岡   鉱平 (カメオカ コウヘイ) :基礎研究部   主事研究員
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2022年03月号 第75巻 第3号 通巻913号  17 ~ 36ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2022/03/
第一分野
(大区分):協同組合・組合金融・地域  (詳細区分):漁協
第二分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):水産業
キーワード
製氷・貯氷事業,浜の活力再生プラン,浜の活力再生広域プラン,漁協アンケート
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2203re2.pdf  756.2KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/8784.html