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書誌情報

論題:中央日本の中山間地域における森林所有の実態─森林組合員に対するアンケート調査を事例として─

23.03.01[ 更新23.11.22 ]

タイトル
中央日本の中山間地域における森林所有の実態─森林組合員に対するアンケート調査を事例として─
要旨

森林の所有、管理、継承が抱える構造的な諸課題を解決するための対策が進められている。しかし、これらの対策の効果を高め、かつ、森林所有の実態を多角的に分析するためには、個別調査が欠かせない。そこで、本稿は、岐阜県恵那市の一部を事業区域とし、その全域が中山間地域である恵南森林組合の個人組合員を対象にアンケート調査を実施し、その回答者の一部にヒアリング調査も行うことで、検討すべき課題を考察した。
アンケート回答者の半数が5ha未満の森林を所有し、最近取得した森林の多くは相続によるものである。回答者の9割が在村者であるものの、回答者の2割が所有森林面積を把握していない。所有森林の見回り頻度は数年に1度かそれ以下で、施業実績は少ない。子孫は健在だが、所有森林を継承せず、自分の代で手放したいと考える高齢男性の世帯主が多いと示唆されるため、現時点で森林の継承先が決まっている世帯は2割にとどまる。
こうした実態から浮かび上がる森林所有の課題は、森林経営管理制度による公的な森林管理だけでは解決できない。また、相続土地国庫帰属制度による私有林の国有化が進めば、森林組合系統の事業基盤を失いかねない。森林クレジットの需要の高まりを林業活性化の追い風とするためには、森林組合系統をはじめとする関係者が森林所有の課題を解決させていく必要がある。

刊行年月日
2023年03月01日
著者/
研究者紹介
多田   忠義 (タダ タダヨシ) : リサーチ&ソリューション第2部   主任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2023年03月号 第76巻 第3号 通巻925号  16 ~ 37ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2023/03/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):林業
第二分野
(大区分):協同組合・組合金融・地域  (詳細区分):森林組合
キーワード
森林所有,森林組合,相続土地国庫帰属制度
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2303re2.pdf  5.3MB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9256.html