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書誌情報

論題:肥料をめぐる動向と今日的課題

23.04.28[ 更新23.11.22 ]

タイトル
肥料をめぐる動向と今日的課題
要旨

日本の肥料産業は戦後の産業復興において先駆的役割を果たし、1970年代までは輸出産業であった。しかし、石油危機をきっかけに1970年代後半から肥料原料の輸入依存が深まり、その後2010年代から20年にかけて特定国への偏重を強めてきた。そのような状況の下、21年秋の中国による実質的な肥料の輸出規制やウクライナ侵攻に伴う対ロシア経済制裁等を背景として2022肥料年度の肥料価格は過去最高となり、農業経営にも深刻な影響を与えている。
22年度中に講じられた肥料高騰対策をみると、肥料費増加にかかる負担軽減策等は08年の肥料高騰時と共通するものも多いが、輸入肥料原料の備蓄などその当時には着手されなかったことにも踏み込んでいる。また、経済安全保障推進法にもとづく特定重要物資への肥料の指定、総理指示にもとづく省庁横断での下水汚泥由来肥料の利用拡大の促進など、肥料に関する施策が農林水産省の枠組みを超え、政府レベルで展開されている。
日本の肥料サプライチェーンが潜在的にもつ脆弱性はさらに高まっている。各地域の関係者が連携して主体的に国内資源の利用拡大の取組みを進め定着を図ることで、輸入依存をできるだけ低減し、日本に適した肥料サプライチェーンの構築につなげていくことが重要である。

刊行年月日
2023年05月01日
著者/
研究者紹介
小針   美和 (コバリ ミワ) : リサーチ&ソリューション第1部   主任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2023年05月号 第76巻 第5号 通巻927号  30 ~ 48ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2023/05/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):国内農業
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2305re3.pdf  1.0MB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9317.html