書誌情報
論題:農業研修が新入社員に与える心理的な影響─西部電気工業(株)の新入社員研修を事例として─
24.06.28[ 更新24.06.27 ]
- タイトル
- 農業研修が新入社員に与える心理的な影響─西部電気工業(株)の新入社員研修を事例として─
- 要旨
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農業体験を社員研修のひとつとして導入している企業が増加している。農業体験の効果としては、社員個人に対しては自律性やコミュニケーション力、ストレス耐性の向上、リラクセーションなど、企業側としては社員同士のつながりやグループワークの強化、リーダーの育成などが挙げられている。しかし、研修に農業体験を取り入れることが社員の心身に良い影響を与えるという感覚的な理解は企業側にあるが、実際の影響について調べた報告はほとんど見当たらない。社員に対する農業研修(=農作業・農業体験を取り入れた研修)のプラスの効果が明確になれば、企業による農業研修の導入が一層進み、農業者の繁忙期の人手不足の解消や農的関係人口の拡大などに波及することが期待できる。そこで本研究では、農業研修が社員に与える効果の一端を解明するために、農業研修に参加した新入社員の気分状態や自己価値感などの変化を主観的評価によって明らかにした。
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本研究は、西部電気工業(株)の農業研修に参加した新入社員21名を対象に、POMS®2や自己価値感尺度、自己抑制型行動特性尺度、対人依存型行動特性尺度を活用して、農業研修の心理に与える影響を研究したものである。
結果から、農業研修が、①「緊張」を低下させること、②研修前のPOMS®2の「緊張」が平均より高い者のネガティブな気分尺度を低下させること、③自己抑制型行動特性尺度が平均より高い者の自己価値感尺度を上昇させること、④対人依存型行動特性尺度が平均より高い者の当該尺度を低下させ、自己価値感尺度を上昇させること、⑤自己価値感尺度が平均より低い者の当該尺度を上昇させ、ネガティブな気分尺度を低下させることが当事例からは示唆された。 - 刊行年月日
- 2024年07月01日
- 著者/
研究者紹介 -
尾中 謙治 (オナカ ケンジ) : リサーチ&ソリューション第1部 主任研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2024年07月号 第77巻 第7号 通巻941号 19 ~ 28ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):国内農業
- キーワード
- 農業研修,農業体験,企業研修,援農ボランティア,農作業の効果,心理的効果
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9674.html