書誌情報
- タイトル
- 『EUの農協 ―役割と支援策―』
- 要旨
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本書はEU加盟諸国の農協について包括的な情報を提供する。日本語のこの種の書籍としては十数年ぶりのものであり、欧州北西部における合併進捗・国際化・外部資本利用や、2000年以降に加盟した中東欧諸国における農業者の組織化の遅れなど、この間の変化が包括的に捉えられている点が大きな特色である。
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EUでは近年、小売や食品など川下部門に対する農業部門の地位を高めることが課題となっており、その主要な対策の一つとして協同組合など農業者の組織化とそうした組織の権限強化に注力している。農産物の生産や価格の決定を市場に委ねる方向で共通農業政策の改革が進む一方、小売や食品など川下部門では少数の大企業への集中が強まっているためである。
EUの行政府にあたる欧州委員会は農業協同組合への支援策を検討する基礎情報を得るために、EU全体および加盟各国における農業協同組合の実情と既存の政策を調査するための大型研究を委嘱した。研究はワーゲニンゲン大学を中心とするEU各国の大学・研究機関からなるコンソーシアムによってなされ、78冊の各種報告書(国別、農業部門別、各種テーマ別など)が作成された。本書はそれらに基づく最終報告書の全訳である。
本書では制度的環境、フードチェーンにおける地位、内部ガバナンスをおもな分析軸として、農協の発展の現段階と支援策の状況を分析している。その結果、農協の果たしている役割や、法制度の柔軟性や解釈上の安定性が重要であること、社会関係資本と人的資本の重要性などが示された。 - 目次・表紙
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日本語版のための解題
エグゼクティブサマリー
第1章 はじめに
第2章 プロジェクトの構成と方法論
第3章 EU加盟諸国における農業協同組合の概況と統計
第4章 農業の8部門における協同組合の実績
第5章 内部ガバナンス
第6章 フードチェーンにおける地位
第7章 国際協同組合と多国籍協同組合
第8章 制度的環境:歴史、社会および文化的側面
第9章 制度的環境:法的側面と政策支援措置
第10章 主な結論および対抗力に関する合意
第11章 実務に関する結論 - 刊行年月日
- 2015年03月31日
- 著者/
研究者紹介 -
Krijn J.Poppe (クライン ポッペ) :オランダ ワーゲニンゲン大学 Constantine Iliopoulos (コンスタンチン イリオポウロス) :ギリシャ 農業経済研究所 Jos Bijman (ヨス ベイマン) :オランダ ワーゲニンゲン大学 - 翻訳者
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株式会社農林中金総合研究所 海外協同組合研究会 (カブシキガイシャノウリンチュウキンソウゴウケンキュウショ カイガイキョウドウクミアイケンキュウカイ) - 出版地
- 東京
- 出版者・
発行元 - 農林統計出版株式会社
- 形態(サイズ、
ページ) - A5判238頁
- 入手条件・
価格 - 定価:本体2,500円(税別)
- 掲載媒体
- 『書籍』
2015年03月31日号 - 第一分野
- (大区分):協同組合・組合金融・地域
(詳細区分):海外協同組合 - ISBN
- 978-4-89732-315-2 C3033
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/publication/books/5612.html