書誌情報
論題:水産物流通の変化と産地の対応-新たな産地市場の構築に向けて-
02.02.01[ 更新10.06.18 ]
- タイトル
- 水産物流通の変化と産地の対応-新たな産地市場の構築に向けて-
- 要旨
-
国内漁業生産量の減少と輸入水産物の増加は,小売業における主役変遷を契機とする流通経路の多様化あるいは買受人の減少や階層分化等とあいまって,産地卸売市場に大きな影響を及ぼしている。
VIEW MORE CLOSE
消費地卸売市場においても「市場流通の後退」がみられ,仲卸業者の二極分化,委託集荷割合の低下,セリ・入札割合の低下等の現象がみられる。また,販売力に裏付けられた価格形成力をもつ卸売会社や市場の選好等から,生産物の出荷が大規模拠点市場に集中するという事態も進展している。
一方,食生活における食の個食化や外部化ニーズは旺盛で,外食から中食へのシフトという形をとりながらもいっそう進展し,徐々に「家庭消費から業務消費へ」という水産物消費形態の変化をもたらしている。
業務消費は,いわゆる四定条件(定量,定質,定価,定時)のほかに低価をも要求し,輸入水産物のいっそうの増加や加工水産物の輸入等,既存の卸売市場システムを脅かす存在となっており,電子商取引市場等新たな流通経路をも登場させつつある。
しかしながら,水産物の特性に基づく産地市場の機能は依然として大きく,市場統合等広域化による買受人増強とともに,市場自らがその機能を果たす形での再構築が課題となっている。消費地市場化ないし消費地市場機能の付加という形で消費者への接近を図るなかで,ITやED(I 電子データ交換)を活用した生産者の強みを生かす新たな産地市場の構築を期待したい。 - 刊行年月日
- 2002年02月01日
- 著者/
研究者紹介 -
出村 雅晴 (デムラ マサハル) :基礎研究部 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2002年02月号 第55巻 第2号 通巻672号 38 ~ 51ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):食品・フードシステム
- 第二分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):水産業
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/1423.html