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書誌情報

論題:2009年度の組合金融の展望

09.01.01[ 更新10.09.06 ]

タイトル
2009年度の組合金融の展望
要旨

09年度の日本経済は景気悪化が見込まれ,07年度までの景気回復局面においても回復ペースが相対的に鈍かった地方経済では,経済活動の水準が低い状況からの悪化であり,今後の動向が懸念される。農業経営については,高騰していた燃料・資材価格が下落したことで,交易条件悪化は止まろうが,景気悪化から農産物価格が下押しされ,交易条件の改善は緩やかなものになるだろう。
 家計の金融資産については,市場性金融商品から預貯金への資金シフトにより,定期性預金の増加率が高まり,預かり資産残高の大きい国内銀行で資金シフトの影響が大きくなっているとみられる。09年度にも安全資産志向が続くだろうが,資金シフトの影響は徐々に薄まり,預貯金残高前年比増加率の業態間の差は縮小するだろう。一方,金融不安から,家計が金融機関の安全性を重視する割合も高まり,金融機関間の預け替えといった事態も考えられよう。利下げによりゼロ金利が再現されるような事態になれば,定期性預金の伸びの鈍化や,流動性預金への待機性資金の積み上がりが予測されるが,一部には,割安感のある市場性金融商品の買い増しなど,家計の金融資産の動きが活発化する可能性がある。
 農業所得,農外所得の所得環境は,いずれも厳しいものになることが見込まれ,農協貯金の増加財源としては引き続き他金融機関からの預け替えや,年金の占める割合が高いと思われる。
 住宅ローンについては,公的金融機関の住宅貸付を代替し,業態に関わらず民間金融機関の残高が増加してきた。しかし,景気悪化により個人の資金需要が鈍るなかで,今後は業態ごとに住宅ローン残高の増減に相違がみられるだろう。一方,地公体貸付では,地公体の資金調達先が政府資金から民間資金へとシフトしてきており,09年度も「地方向け財政融資資金の繰上償還にかかる補償金免除」が継続実施されることから,地公体貸付の残高は伸長するだろう。
 農協貸出金の前年比増加率は,住宅ローンと地公体貸付に支えられて,08年度には上昇傾向で推移し,08年9月末で2.4%となっている。住宅ローンについては,金利先高感の後退のなかで,変動金利型や固定期間選択型商品など当面の金利負担が少ない住宅ローン商品での競争が強まるとみられる。地公体貸付については,地公体において政府資金から民間資金への借換えが進むことにより,全体としては残高が伸長すると見られる。

刊行年月日
2009年01月01日
著者/
研究者紹介
一瀬   裕一郎 (イチノセ ユウイチロウ) リサーチ&ソリューション第2部   主事研究員 研究員紹介を見る
小田   志保 (オダ シホ) リサーチ&ソリューション第2部   主任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2009年01月号 第62巻 第1号 通巻755号  16 ~ 28ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2009/01/
第一分野
(大区分):協同組合・組合金融・地域  (詳細区分):農協信用事業
キーワード
組合金融,家計,住宅ローン,地公体貸付,業態間の動向
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0901re2.pdf  158.9KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2074.html