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書誌情報

論題:最近の中国における農村金融の現状と特徴

13.02.01[ 更新13.02.01 ]

タイトル
最近の中国における農村金融の現状と特徴
要旨

1 2003年以降,中国政府は中国農業銀行と農村信用合作社という既存の農村金融機関の改革に取り組む一方で,新型農村金融機関と呼ばれる新たな金融組織の設立も奨励している。本稿の目的は,農業・農村金融に関わる金融機関の現状と特徴を考察したうえで,金融機関による農業・農村への資金供給の全貌を明らかにすることにある。
2 新型農村金融機関は,農村信用合作社の独占的な地位を打破し,農村金融市場の自由化を進めるという点で大きな期待が寄せられている。しかし,同金融機関の貸出規模はまだ小さく,期待ほどの役割を果たしているとは言い難い。政府が構想している適切で競争的な農村金融体制の構築にはまだ時間がかかると言えよう。
3 近年の農業・農村金融の新たな動きとして,農業銀行以外の国家開発銀行による農村インフラ整備のための融資が増加していること,郵便貯蓄銀行も農家小口金融業務に力を入れていることがある。さらに,政策金融機関である農業発展銀行も,食糧などの買付け資金の貸付だけではなく,一般の農業関連企業向けや農村インフラ整備向けの融資業務を展開し始めている。
4 商業銀行,政策銀行,農村信用合作社による農業・農村への融資は企業融資が多く,農村インフラ整備向けの融資の伸びが高い。これは中国の水利施設や農村基盤の強化といった農業政策によると考えられる。一方,農家向けの融資は全体の2割しかなく,かつ農家向け融資の8割以上が何らかの担保を求められている。農家向け融資の多くは農業生産にかかる資金であるが,農業外の生産活動にかかる融資も多額である。
5 さらに,金融機関別の渉農融資から,農村信用合作社が依然として農家にとって最も重要な資金供給元であることも分かった。今後の農村金融改革を考える場合,新型農村金融機関の設立を促す一方で,まずは農村信用社が抱える問題点を整理して改革を進めることが必要であろう。

刊行年月日
2013年02月01日
著者/
研究者紹介
王   雷軒(Wang Leixuan) (オウ ライケン) リサーチ&ソリューション第1部   主任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2013年02月号 第66巻 第2号 通巻804号  51 ~ 64ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2013/02/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):海外経済
キーワード
中国農村金融,渉農融資,新型農村金融機関,農村信用社,農家融資
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1302re4.pdf  973.4KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/4631.html