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書誌情報

論題:原発事故被災地における農業復興の現状と課題―復興・創生期間終了後を見据えて―

20.01.31[ 更新20.01.31 ]

タイトル
原発事故被災地における農業復興の現状と課題―復興・創生期間終了後を見据えて―
要旨

東日本大震災と福島第一原子力発電所事故について、政府は復興・創生期間の終了後も復興事業を継続する方針を決めた。
特に、原発事故で被災した福島県については2021年度から10年間にわたって「引き続き国が前面に出て」復興に取り組むとしている。しかし、財源面の制約などから支援対象が絞り込まれていく流れも予想される。
福島県の被災地では、住民が避難していた時期の違いなどによって大きな「復興格差」が生じている。現在も避難指示が解かれていない帰還困難区域をはじめ、それぞれの地域事情に応じた柔軟な対応ときめ細かい配慮が必要であろう。
避難が長引いた地域では大幅な人口減少と高齢化が進み、地域農業の担い手や労働力の確保が困難な状況がある。農地集積のテコとなる農業基盤整備事業の推進や「スマート農業」と呼ばれる省力化技術、いわゆる風評被害に強い作物や収益性の高い品目の導入が課題になっている。
半面、帰還した高齢者の生きがいを支え、地域のにぎわいを創出する小規模な農業の意義も軽視されるべきではない。食と農の多様な営みを通じて都市の消費者や未帰還の住民らを「関係人口」として取り込み、内外の連携を強化して地域を活性化していく工夫も求められよう。
被災地は日本全体で急速に進む人口減少の「最前線」でもある。単なる支援の対象ではなく、そこにおける課題と経験を「自分ごと」として捉えていく視点が問われている。

刊行年月日
2020年02月01日
著者/
研究者紹介
行友   弥 (ユキトモ ワタル) : 特任研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2020年02月号 第73巻 第2号 通巻888号  40 ~ 49ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2020/02/
第一分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):国内農業
第二分野
(大区分):農林水産業・食品・環境  (詳細区分):環境
キーワード
東日本大震災,原子力発電,原発事故,被災地,復興
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n2020re3.pdf  967.6KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/7885.html