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書誌情報

論題:家計金融資産の動向と展望

09.09.01[ 更新10.09.06 ]

タイトル
家計金融資産の動向と展望
要旨

1 わが国の家計部門が保有する金融資産は,全体で約1,400兆円(2008年度末)であり,一世帯あたりでは約1,680万円(08年平均)である。それらの内訳を見ると,預貯金といった安全性の高い資産の占める比率が5~6割に達している一方で,株式・株式投資信託などリスク性の高い資産の比率は低い。なお,2000年以降,家計部門全体の金融資産残高の変動は,新たな貯蓄の流入よりは,資産価格変動に伴う影響を大きく受けていることが確認できる。
2 世帯主の年齢階層別の金融資産保有状況によれば,金融資産は子供の教育費負担や住宅ローンの返済などが一段落する一方,退職金の受取が始まる50歳代後半以降に急速に積み上がる傾向があり,その結果,高齢者世帯に金融資産が偏在していることが確認できる。それゆえ,団塊世代を含めた高齢者世帯が先行きどのような資産選択行動をとるのかが,将来を見通す上での重要な鍵を握るポイントとなる。
3 世代ごとに金融資産選択行動について分析した結果,リスク性の高い金融資産に対して,明確に選好が高まったような階層はなかった。これまでのところ,高齢者層も含めて,家計部門のリスク性の高い金融資産の保有「量」はほぼ一定であり,保有「額」の変動は主に株式市場などでの価格変動によって生じている可能性が高い。
4 2020年までを見通した場合,1%台半ばの名目成長率などの前提の下で,家計貯蓄率は低水準ながらもプラス状態が続く結果,家計部門全体では1,665兆円まで蓄積が進む。一方で,この間も進行する「高齢化」という人口要因が家計の保有する金融資産の構成へ与える影響はそれほど大きくなく,また株式などリスク性の高い資産に対する選好が大きく高まらない限り,金融資産の保有構造には大きな変化を見込むのは難しい。
5 金融システムの健全性という観点から見た場合,最終的なリスクマネーの供給者である家計部門の金融資産が預貯金に偏り,銀行セクターに資金が集中している状況は決して好ましいことではなく,その修正が求められる。

刊行年月日
2009年09月01日
著者/
研究者紹介
田口   さつき (タグチ サツキ) リサーチ&ソリューション第2部   主任研究員 研究員紹介を見る
南   武志 (ミナミ タケシ) リサーチ&ソリューション第1部 役員・理事長・顧問・理事研究員 等   理事研究員 研究員紹介を見る
掲載媒体
定期刊行物 『農林金融』
2009年09月号 第62巻 第9号 通巻763号  2 ~ 13ページ
掲載コーナー
論調
掲載号目次
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2009/09/
第一分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):国内経済
第二分野
(大区分):経済・金融  (詳細区分):海外金融
キーワード
家計,金融資産,高齢者,リスク性金融資産,金融商品
出版者・編者
農林中央金庫 発行   / 株式会社農林中金総合研究所 編集
ISSN
1342-5749
PDF URL
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0909re1.pdf  104.7KB
書誌情報URL
https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/2130.html