農林中金総合研究所

2009年半ばまでに、世界金融・経済危機による景気悪化は食い止められ、その後は新興国主導で持ち直し基調が続いてきた。しかし、10年に入り、全体的に景気回復ペースの鈍化が目立ち始めた。
内外経済の先行きを展望すると、11年前半まで景気回復力は鈍いまま推移するだろう。特に、国内では、耐久財消費刺激策の反動やこれまで進行した円高による悪影響によって景気停滞色が強まるものと思われる。一方、年度下期には海外経済の再持ち直しに伴う輸出増勢の強まりから、再び成長率を高めていくと予測する。
なお、政府・日本銀行とも、11年度内には消費者物価の前年比上昇率がプラスに転換すると予想しているが、状況は厳しくなっており、一段の金融緩和措置が求められる場面も想定される。