書誌情報
論題:EU加盟6か国における農業所得構造の比較
17.07.31[ 更新19.05.16 ]
- タイトル
- EU加盟6か国における農業所得構造の比較
- 要旨
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本稿では,英国・ドイツ・フランス・オランダ・スペイン・ポーランドのEU加盟6 か国について,共通性の高い営農類型として畑作物と酪農を取り出し,農業経営の所得構造の比較分析を試みた。データとしては欧州委員会が提供するFADNを主に用いた。
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各国の農業経営の特徴として,①限られた面積において集約的で多投入多産出な農業生産を行い,高所得で補助金依存度も低いが利益率は高くなく,多額の負債を伴うオランダ,②面積規模とともに,労働力量,投入量,産出量いずれも小さく,所得額も低いが,産出に対する純所得の割合が大きく,負債が少ないスペイン・ポーランド,③これら2 者の中間的な位置にある英国・ドイツ・フランス,といった点が挙げられる。
そのほかに得られた知見として,1 ha当たりで見た場合,スペインやポーランドの純所得は他国の水準に近くなり,単位面積当たりの収益性で劣っているわけではないことが挙げられる。
また,フランスの農業経営においては,自作地率や地価が低いという特徴も明らかとなった。
これらの国ごとの特徴は畑作物と酪農いずれにおいても保持されていることから,農業所得の構造においては営農類型より各国固有の特徴の方がより規定的であると考えられる。さらに各国の特徴を規定する要素の一つとして,土地資産額が挙げられる。自作地率,自作地単価,経営面積が合わさって土地資産額を形成するが,どれがより規定的であるかは国によって異なる。
<地域:欧州、ヨーロッパ、EU> - 刊行年月日
- 2017年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
平澤 明彦 (ヒラサワ アキヒコ) :基礎研究部 主席研究員 研究員紹介を見る 亀岡 鉱平 (カメオカ コウヘイ) :基礎研究部 研究員 - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2017年08月号 第70巻 第8号 通巻858号 25 ~ 43ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):海外農業
- キーワード
- 農業所得
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/6801.html