書誌情報
論題:2024年の国内経済金融の展望―正念場となる日本銀行の金融政策―
23.12.29[ 更新23.12.28 ]
- タイトル
- 2024年の国内経済金融の展望―正念場となる日本銀行の金融政策―
- 要旨
-
2021年以降、世界的にインフレ加速が見られたが、欧米の中央銀行が金融引き締めを本格化させたことで23年前半にはピークアウトし、年末にかけて鈍化してきた。しかし、各中銀ではインフレを完全に沈静化させるべく、当面は政策金利を高い水準で据え置く方針であり、海外景気は一段と減速することへの警戒もある。一方、日本ではコロナ5類移行もあり、ウィズコロナの浸透が見られ、インバウンド需要が堅調に推移したほか、サービス消費も回復傾向をたどった。しかし、物価高が家計の実質所得を目減りさせ、消費全体としては盛り上がりを欠いた展開となった。
VIEW MORE CLOSE
24年を展望すると、前半はけん引役不在によって国内景気は足踏みが続く。一方、年半ばには欧米中銀が利下げに転じるほか、中国政府の景気テコ入れ策の効果などが期待され、世界経済は持ち直し期待が高まるだろう。加えて国内でも物価沈静化や賃上げ機運が持続することで消費の回復が進み、24年後半にかけて景気回復が強まると予測する。
このような環境の下、国内では金融政策の正常化に向けた動きが注目を集めている。既に形骸化しているYCCについてはいずれ撤廃される可能性があるが、持続的・安定的に物価2%を達成できるとの判断には至らないと思われ、マイナス金利政策の解除は25年以降に持ち越されるだろう。 - 刊行年月日
- 2024年01月01日
- 著者/
研究者紹介 -
南 武志 (ミナミ タケシ) : リサーチ&ソリューション第1部 役員・理事長・顧問・理事研究員 等 理事研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2024年01月号 第77巻 第1号 通巻935号 2 ~ 14ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内経済
- 第二分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内金融
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/9540.html