書誌情報
論題:個人リテール金融市場の注目点―政策の転換を迎えた2016年―
16.12.30[ 更新16.12.30 ]
- タイトル
- 個人リテール金融市場の注目点―政策の転換を迎えた2016年―
- 要旨
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日銀のマイナス金利導入により,2009年9 月末から26四半期連続で増加していた家計の金融資産残高は,16年3 月に減少に転じ, 6 月には△1.7%となり減少率が拡大した。マイナス金利の導入は,金融機関の貸出や有価証券投資の収益性低下をもたらし,16年度中間期には,地方銀行64行のうち,47行で中間純利益が減益となり,うち38行では,減益率が2 ケタ以上となった。将来の人口減少を前提とすると地域金融機関の経営は今後厳しくなるという構造的な問題は以前から示されていたが,そうした事態を迎える前に政策の影響により経営環境が悪化しつつある。
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他方,金融庁は,地域金融機関に対して地元の中小企業等の顧客基盤を中心に担保評価に頼らず事業性を重視した融資を行うなど,持続可能なビジネスモデルを構築するよう要請している。そして,そうしたビジネスモデルの構築が可能になるよう,従来の厳格な個別資産査定や法令遵守確認を中心とする金融監督のあり方の見直しを表明している。
上記を踏まえると,16年は政策が転換を迎えた年であったと言えよう。 - 刊行年月日
- 2017年01月01日
- 著者/
研究者紹介 -
重頭 ユカリ (シゲトウ ユカリ) : リサーチ&ソリューション第1部 理事研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2017年01月号 第70巻 第1号 通巻851号 15 ~ 30ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):経済・金融 (詳細区分):国内経済
- キーワード
- 資金循環,リテール金融,金融庁,マイナス金利,地方銀行
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/6223.html